トラノコ 2021-10-09 01:38:13 |
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サンジ
ガチャリと扉が開く音がして首だけ動かし、やって来た人物を確認すると穏やかに笑んで「おう、来たな。」と返した。まぁ座れよとバーカウンターのイスを指し示して座ることを促すとタバコを咥えなおし、氷でキンキンに冷やした辛口の酒瓶を氷の中から取り出してトクトクとコップに注ぐ。それをゾロの前に置いてからゾロのために作った料理とつまみを準備。いつもならばそれで終わりだ、仕込みとか材料の確認とか他の作業をするのが常だが今夜は違う、キッチンから出てきてゾロの隣に座ったのだ。しかも作った料理はゾロの前ではなくサンジの前に置いている、まずは昼のご要望に答えるつもりなのだ。素直になれないのはお互い様、でもいつか先へ進みたいならどこかで踏み出さなければならない。そのきっかけは昼にもらった。だから、素直におれが伝えられる愛情表現でゆっくり、でもちゃんと恋人として変わっていくから。
スプーンで料理をすくって「ほら。」とゾロの口元に差し出して
「お前専用の味付けにして、お前のためだけに作った愛情たっぷりの料理だ。責任もって全部、おれの手から食べてくれよ、ゾロ」
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