しらた 2021-09-29 11:21:45 |
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松野千夏
「…あ、ぁ、ああ、あ゛っ、安心する…!!?そ、そうかな、ちふ…ん゛んっ。松野くんがそう言ってくれると私も嬉しいなあ…。」
(好きなあの子に限界的な想いを抱いているのを安心する、なんて言われるとなんだか不思議な感じ。思わず吃り、慌てふためきつつそれでも彼が自分のことを見てくれている、という事実に頬は自然と綻んだ。教科書、教科書。緩む頬を隠しながら国語の教科書を取り出して見せた。昨日は、どころか毎日何度も何度も確認して忘れ物ひとつしないように。好きな子に幻滅されたくなんてないから。そういえば教科書見せる、ということは机をくっつけることになるということ。そう考えるとひとりじんわりと頬へ赤色を滲ませながら。)
「んふふ、うん。あるよ。昨日は忘れないようにって確認してきたの。」
三途 春千夜
「嘘ついてんじゃねェ、オラ開けろ゛!」
(暫しの間のあとの返答に痺れを切らし、静止の声も聞かず再びがちゃがちゃとチェーンを外そうと試みる。確かに連絡入れなかったのは悪いと思う。でも反省はしていない。扉の隙間から顔を挟むように近付き、'入れ゛ろ゛!'と念押し。反省はしてないけれど。手提げのレジ袋を彼女の視界に写るように覗かせるとゆっくりと視線の先を逸らし'…お前の好きそうな酒、とか。…肴買ってきてやったのに要らねェって言うんじゃあねェだろうな。'とひとこと。いつもの、ほんの少しのお礼の気持ち。好みに味付けられたご飯をご馳走してくれたり、絶対に言わないけれど感謝の気持ちだって忘れてない。これでも人間。感情もある、彼女へ向ける気持ちだって。募った想いが少しでも届きますようにといくらか、おもいながら。しかし扉の催促の方が多いのが現状。チェーンを漁る手は辞めずに。)
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