正原 灯 2021-09-26 07:48:31 |
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……一応、分かります。……………持ってはいないけど。
(幼い頃、母の料理中もこうしてよく近くでその風景を眺めていたことを思い出しながら、まな板で玉ねぎを刻む小気味よい音を聞いていると不意に音が止まり。どうしたのかと少し首を傾げた瞬間、顔を覗き込むようにして此方を見遣る相手とばっちり目が合ってしまって。
そのままを逸らすこともなく、此方からも見つめ返しながら答え)
───?
…………???
(すると空のトレーを手にした状態でその場に突っ立っていただけなのに、何故か突然此方を見て笑い始めた相手。頼まれた手伝いはちゃんとこなせたはずなのに、何かおかしかっただろうか。
頭に疑問符を浮かべていると、次なる依頼が。普段料理をしない自分にとっては聞き慣れない単語に更に疑問符が浮かび上がってくるものの、その期待に応えようと空のトレーを手離してから香辛料を探しに一旦場を離れ)
………ナツメ……。
(料理好きの母が何処かしらに何かしら用意しているかもしれない。無かったら買いに行こう。そう思って今まで1度たりとも開けたことのなかったキッチンの戸棚を一つ一つ開けて探し回っていると、当たり前のように未開封のおしゃれなスパイスセットが眠っているのを発見。まさか本当にこんなものまであるとは…。
用意周到な母に感謝しつつ、それを引っ張り出してきて広い調理台の上に置くと、その中から目的の香辛料を見つけるべく中身を物色し始め)
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