匿名さん 2021-09-25 00:19:04 |
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(敢えて具体的な言葉で示さず、反応を伺っていた。不暗がりの中物言わず立ち上がった小さな炎がセピアの色彩を持つ彼女の瞳を照らし露となるその表情、重責を負う身にしては随分と淡白で狂気さえも感じられ。無理強いとは異なる、自ら漆黒のドブに嵌っていくかの様に、後戻りの出来ない選択を選んだその横顔を眺めて。炎色は書類をなめる様に這い、鬼頭 宗介やがて心無い手向けの言葉と共に細い手から放たれた後はあっという間に草木を飲み込み、木材へと燃え移り赤い海が生まれた。何処からか火災警報の音が鳴り響く中、此方を見上げる瞳と視線を絡め「彼奴がお前をバラさずに世話役として置いた気が何となく分かる。____頭のおかしい奴は好きなんだよ。」今後殺人を犯す事になるかは別として、風変わりな娘を観察するのも悪くない。根腐った日常に花を持たせるような気分で、踵を翻し車へと乗り込む。勿論彼女を引き連れて。運転手は言葉一つ発さず、恐らく察したようで、部下達が撤退した頃にはサイレンの音が夜町を騒然とさせ。窓ガラスからは熾盛煙塵は天を突く様子が暫く見られ、車が停車する頃にはすっかりと夜は明けて、都市の一角にあるタワーマンションの駐車場に降り立ち)
さっさと出ろ、今日から此処がお前の家だ。
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