りりこ 2021-09-24 18:29:05 |
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だ、大丈夫ですっ
( 果たして、本当にこの浴槽に自分が入っても良いのだろうかと湯気の中で葛藤しつつ、ゆっくり足を浸けようとした刹那、脱衣所からの呼び掛けに咄嗟に返答し、その勢いのまま浴槽へと浸かってしまった。
勢いで入ってしまったとはいえ冷えていた身体が芯から温まっていくのが分かり、思わず息を吐きズブズブと肩まで浸かる。こんなに穏やかな気持ちになったのは何時ぶりだろう。
だが、浴槽に入るまでは些か散々だった。無駄使いをしてはいけないと勘で選んだボトルを1回ずつプッシュし、体や髪の毛を隅々まで洗ったが、石鹸の量は少なかった為完璧とは言えなかった。奇跡的に種類は間違えなかったようだが、トリートメントという物を使ったことがない為、シャンプーだけで満足したようだ。)
カンナギ様。
お風呂、頂きました。
( それから暫くして浴室から出てくると、置かれていたタオルに向かって無人にも関わらず有難そうに会釈をし、お湯に浸かり過ぎてやや赤みを帯びた肌を拭い、失礼のないように髪の毛の水分を素早く切れば、再度ジャージに着替える。)
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