りりこ 2021-09-24 18:29:05 |
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ですが…
(“気にしないで”と言われ此方を労れるような言葉を掛けられると、少し戸惑ったように上記の言葉を洩らす。しかし、すぐに“いえ…”と切り替えせば、相手の言う事に素直に頷き、ゆっくりとベッドから起き上がる。膝に乗せていた御盆を相手に受け取ってもらえば、これでいいのだろうか…と終始困惑した。しかし、例によって顔には出ていないようだった。
未だ足腰が覚束無いが、また倒れる訳にも行かず、壁に手を付きながらも風呂場へゆっくり歩みを進める。その道中も家の様子を抜かりなく観察し、ただの民家では無いことを理解した。これまで高貴な方に優しくされたことはなかったが、親切な彼も何かしら大きな力を持っているのだろうと思考を巡らせる。もしかすると自分も微量ながらに手伝うことができるのかとしれないとそう思った。
しかし、早速最初の試練にぶつかってしまった…。
色とりどりで多様な種類のボトル、そして清潔で広い風呂場を目にした際、果たしてこれはどのようにして入るのが正解なのだろう。と首を僅かに傾げる。)
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