りりこ 2021-09-24 18:29:05 |
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……。
いえ、とんでもございません。お手間をお掛けしました。
見苦しい姿をお見せしてしまいすみません。
( 再度引き止められては、折角作って頂いたという気持ちと申し訳なさが入り交じり、つい口を閉じてしまったが、言い聞かせられ小さく頷けばその顔を上げた。
そして、服について返答を聞けば、バツの悪そうな相手に反しすんなりと会釈混じりに言葉を返す。それよりも色々と施しをして貰っているのが気になるようだった。この肌も、見ていて気持ちの良いものでは無いだろうに。)
…あ、お気になさらず。
慣れてますので、血の摂取は稀に少量行うだけで十分です。
食事も取れます。
( 小鍋の蓋が取られれば、良い香りが一層強くなり思わず息を飲む。まともな食事など、いくら金持ちの家で勤めていようと食したことは無かった。ましてや自分の為に作られる事など無いのだ。
気遣う相手に上記を述べると、未だ申し訳なさそうにしながらもお盆を受け取り“ 有難く、いただきます。”と消え入りそうな声で呟いた。吸血鬼が食事の善し悪しが分かるのかと言われれば、自分でも分っているのか怪しい。しかし、お粥を慎重に1口、冷ますことも忘れて食べてみれば、きっとこれが美味しいと言うことだ。と溢れそうになる涙を堪えながら咀嚼する。熱すぎた気もするが、優しくて全身に染み渡る。そのまま直ぐに2口目へと続いていく。)
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