三丁目のミケネコさん 2021-09-10 12:59:26 |
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……助けてあげよっか。
(今にも涙が溢れてしまいそうな彼女を前にして、ぼそり、そう口にした。ただでさえ少ないラブフラワーではない時間、春風彩花という一人の女子生徒の時間がこうして潰されてしまうのは流石に__。ライバルの抱く感情とは思えないが、これは一人のクラスメイトとしての、自分から彼女に対する思いであった。
彼女に出会ってから、何故か闇に堕ちる前の、純粋だった頃の感情ばかりが芽生えてくる。まるで、捨てた筈の濁りきった良心が、今になって光を帯び始めたよう。
最近の自分は自分らしくない、扱いに困るこの想いの処理方法を考えつつ、短く息を吐いた。)
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