三丁目のミケネコさん 2021-09-10 12:59:26 |
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そんなこと分かってる。前も言ったでしょ、隣にいてくれた方が安心だって。
これで逃げられないわよ!…なんちゃってね。
(大人しく、というよりも諦めたように連れ立って歩いてくれる相手の言葉にはふふ、と悪い笑顔を浮かべながら返答する。不安の種が隣にいれば安心だと、前にも言った覚えがあるなぁ、なんてぼんやり考える。と同時に、宿敵だという関係性を無しにしたところで、急に女子から距離を詰められても迷惑か、と思案する。だけど、今はただ、なんとなく誰かの腕に縋りたいだなんて、そんな胸の内はかっこ悪くて絶対に口には出せない。
揶揄うようにして明るく言葉を付け加え、ぎゅっと捕まえた腕を抱き締めるが、その直後にはするりと解放して。
また、ファミレスとは言ったものの、周りを見れば同年代の姿も随分と増えていて。そんな中、中高生に大人気なファミレスに入ってしまえば更にクラスメイトに目撃される可能性は高くなるわけで。しかも、彼とは最近親しげに映っているが為に、彼も友人に目をつけられていたばかりだ。彼もきっと、迷惑に違いはない。
目的地のファミレスの前まで来たものの、そこで歩みを止め、珍しく自信なさげに視線が泳ぐ。普段ならあまり周りの目なんて気にしないのに。
胸の節々にチクチクと刺すような痛みを感じれば、其れを誤魔化すように、突然自分の頬を両手で挟み込むように勢いよく叩いて。相手に笑顔を向ければ気分やな提案を再度して。)
やっぱ気が変わった!散歩しながら帰ろー
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