三丁目のミケネコさん 2021-09-10 12:59:26 |
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?!、ちょっと待っ――!
(昨日の戦闘が響いているのかなんとなく街を襲う気にはならず、その代わりにと偶然見掛けた魔法少女を適当に揶揄ったところで今日は帰るつもりだったのだが。瞬く間にがっしりと拘束された片腕とどこか身に覚えのある展開に嫌な汗が背中を伝う。決定事項とでも言わんばかりに迷いなく歩みを進めるその様子を見るに、矢張り拒否権はないらしい。有無を言わさず押し寄せる怒涛の展開にはもう身を任せるしか選択肢が残っておらず、諦めたように溜息を吐いた。
ゲームセンターを出て一番に視界に飛び込んでくるのは幾つもの飲食店が並ぶ大通り。平日の街中は想像以上に人通りが多く、休校になった影響か通行人の中には同年代の男女の姿も散見される。
が、未だ解放されることのない片腕のせいで正直それどころではなかった。正義と悪、そんな特別かつ特殊な関係とはいえ、なんなんだこの距離感は。
自分が下手に騒ぎを起こさぬよう監視するためか、男女二人で街を歩くことに対しての周りへのカモフラージュか。そもそも彼女本人にそういった意図があるかどうかも知らんが、余計な誤解を産みかねないことには変わりない。クラスメイトに目撃されていないことを切に願いながら足を進める。)
……俺、これでもお前の宿敵なんだけど。
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