三丁目のミケネコさん 2021-09-10 12:59:26 |
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――ッ
(攻撃は当たらなかったものの確実に体力は減らせた筈。これで形勢逆転か、更に追い打ちを掛けるべく、友人諸共吹き飛ばすつもりで片手を突き出した――ところで、突如足下に開いた巨大な花弁。そこから放たれた濃霧によって刹那、視界が薄紅色一色に染まる。
体感的にその濃霧自体に殺傷能力は無さそうだが、如何せんタイミングが悪すぎた。霧が晴れる迄の数十秒の間に例の友人含む魔法少女の姿は跡形もなく消え、その代わりに鬼の形相で此方へ向かう警官らを視界に捉える。戦いの強制終了を意味するそれは、残された採るべき選択肢が一択に絞られたことも表していた。
もうあまり考えている時間はない。即席の閃光を発し周りの目を晦ませれば、テレポートの要領でその場から姿を消した。
残り僅かな魔力を使って転移した先は校舎裏。短距離の移動とはいえ相当な体力を消費したようで、変身が解けると同時に膝から崩れ落ちる。幸いにも校庭やその周辺からは死角に位置しているらしく、大きな音さえ立てなければそう簡単に見つかることも無いだろう。
大きく荒れた息を整えるよう校舎に凭れ掛かるも、嫌でも耳に入ってくる校庭の喧騒。その中には教師陣の必死な注意喚起も含まれているようだが今更避難した生徒達に紛れる気は起きず、あの魔法少女の眩しい笑顔を思い出しては宙を睨んだ。)
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