三丁目のミケネコさん 2021-09-10 12:59:26 |
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なんだ――と、
(一点の曇りもない、吐き気を催すほどの義侠心。綺麗事だと嘲笑う暇もなく粒子のリボンは一直線に此方へ伸び、自身の胴へと巻き付いて締め付ける。普段ならこのくらい簡単に躱せる筈だが、人質を取ったお蔭でかえって反射神経が鈍った模様。魔法少女を追い詰める切り札は、いつしか己への足枷に変化していた。
こうなればもうこの女子生徒に用は無くなった。お荷物と化したその身体を振り落とすように宙へ放り、動きが制限されるなかで悔しげに相手へ鋭い視線を向ける。
あの清々しい笑みは己の不快感を増幅させるばかりで、このままでは本当に――魔法少女の宣言通りに事が運んでしまう。
今もなおぎりぎりと身体に纏わりつく金色は一切緩むことなく、下手に動けば無駄に体力を消費することは明らかだった。いつの間にか野次馬諸々生徒の姿も消えており、そいつらを狙うことでこの場を混乱に陥れることも不可能。圧倒的不利な現状からどう動くのが最善か、脳内であらゆる仮説を組み立てつつ、少しの油断も許されないと真っ直ぐ相手を見据えて)
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