管理人兼語り部 2021-09-09 14:46:32 |
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(>16 冥様
打てば響くようにすぐさま返ってきた答えに、はてと首を傾げる。出された品物を見れば、何処にでもあるような金魚鉢のように思えてさらに首を捻る。しかし、よくよく観察してみると確かに美しい染色が施されていることがわかった。それでも用途の低い金魚鉢を仕入れたということに疑問を持たざるを得ない。
「んん…確かに美しい金魚鉢だが、本当にこれを仕入れたのか?」
此処じゃ祭りはたまに開かれるが、金魚を売る者自体珍しいだろう、と用途の低さをそれとなく伝える。金魚鉢をスススと此方へ勧めながらちょこんと鎮座する妖狐を見つめる。彼女を疑うというよりは、彼女のお眼鏡に叶ったという品の方を疑っており、ついと視線を逸らせると金魚鉢を様々な角度から見つめて思案する。
「……まぁ、此処にきたのは仕入れのためじゃなくて珍しいものみたさがあっただけだからなぁ。あんたが気に入ってんなら俺は買わないよ」
なかなか綺麗な1品だしあんたが持っていた方が似合ってる、とさらりと褒め言葉を綯交ぜた感想を返す。何とも歯が浮くような台詞だが、本人は何も考えないで話しているのだからタチが悪い。
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