管理人_不破 2021-09-08 22:58:04 |
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(>32 イザベラ様
ゆったりと翼を動かして気ままに仕事場へ向かう。やや陽射しが落ち着いたふわふわとした空気を楽しむ様に鼻歌混じりに羽ばたけば、何やら遠くから話し声が響いてきた。話を完全に聞き取るには距離が開いていたため断片的ではあるが、神、疑念、堕天の言葉が辛うじて聞き取れた。何やら良くない予感に溜息を一つつくと、その間が当たったらしい。やや頬を蒸気させた天使が此方に腕を振っている姿を視界に留めてしまった。
「あぁ、そちらも仕事かい?精が出るじゃないか。そんなに詰め込んだら疲れも取れないだろう?」
目が合ってしまったものは仕方がないと挨拶を返せば、神への敬愛の強さで有名な天使の後ろに先日も此処らへんで見かけた様な疲労顔の天使を見つける。あまりにも疲れていそうな様子に、つい労りの声をかけてしまい、ついでにと己の能力を振るう。あくまで疲れを取るだけだから無理はするんじゃないよ、と薄く微笑むと軽く腕を振るって能力を発する。
「ふふっ…天使も疲れるなんて人間は思いもしないんだろうね。君も神への信仰は程々にね」
そのうち興奮し過ぎて倒れそうだ、と冗談交じりに目の前の天使へ微笑みを向ける。幾分か出会った頃より柔らかくなった天使へ大きくなったななどと感慨深い何かを感じる。
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