管理人_不破 2021-09-08 22:58:04 |
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(>26 panndora様
溜息とともに何かを諦めたかのような雰囲気を感じ取り、またもや苦笑が漏れる。彼女の忠告を無意識に聞き流し、はいはいと生返事を返す。仕事へ意識を向けた小さな同胞を見倣って、自身も仕事を再開するかと重い翼を動かす。
「2人分の翼があるからね、遅れることはないよ」
心配してくれるなんて優しいねなど軽口を叩きながら、目の前をゆく小さな背中を追いかける。確かに2人分の重さが苦になる翼だが、2人分の動力を持つため体力があればそれなりの速度で進むことができる。しかし、それをすれば疲れるのも事実なので大人しく彼女に先導されることにした。
「ははっ、どつかれるのは嫌だね」
他の堕天使たちには面白いタネを提供できそうだけどという呟きは心の中にしまう。口にすれば、きっとまた小さな同胞は機嫌を損ねてしまうだろう。素直で純粋な在り方は天使らしいと言えば天使らしく、見ていて飽きないものでもあった。元同胞にも同胞にも面白い人材がいて恵まれたものだと人知れず鼻歌を歌いながらついていく。
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