管理人_不破 2021-09-08 22:58:04 |
通報 |
(>18 panndora様
正午が近づくにつれ、少しずつ強くなってきた陽射しに目を細めながら翼で身体を覆う。最初こそ2人分の重すぎる翼に苦戦したものの、今では身体の一部として十分に活用することができていた。重い翼を動かしながら先程の光景を思い出して、ついつい笑みを溢す。忙しいと口ではいいながら全く手を動かさないことを指摘された天使の真っ赤な顔が脳裏をよぎり、元同胞に何とも可愛らしい一面があったものだと笑みを深くする。そろそろ人間界に降りようかと思考を切り替えたところで、視界に見知った姿が映り込んだためそちらへ向かう。
「あぁ、パンドーラーか。随分といっぱい寝ていたようだが…そろそろ成長期かい?」
寝る子は育つというし、すぐ私の身長を越えそうだね、と冗談を混ぜ込んだ挨拶を交わす。目の前の小さな同胞と知り合ったのはいつだったか、遠い記憶の邂逅に思いを馳せながら元気そうで良かったと安堵の息をつく。幾分か強まった陽射しから小さな同胞を守るために翼を広げれば、すっぽりと収まるほどの影ができあがる。同時にお馴染みの冗談を言おうと思ったが、彼女が嫌がることを思い出し心の中で唱えるに留めた。
トピック検索 |