ノーマル 2021-09-07 06:50:28 |
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(分かりました。楽しさ第一でお互いに頑張りましょう…!!それでは一旦、こちらは隠れますね。また何かあれば出て来ますので、失礼します!)
…!!
(マグカップに残った紅茶の香りを確かめ、それにまだ少し温かさが残っている事にも気付くが、時既に遅し、奥の部屋からローブを被った人間が現れた。しまったと顔をしかめながら、咄嗟にマグカップから手を離し、勢いよく椅子から立ち上がれば、奥の扉の前に立つ人物に銃口を向ける。奥にいる人の気配に気付かなかった事以外は、現役兵士と何ら変わらない、寧ろ卓越した無駄の無い動きで、その人物が現れてから銃口を向けるまでほんの1秒も掛からなかった。怪我を負ってから、こういった現場に出る機会もめっきり減って、勘の良さが自慢だったが、もう錆びてしまっていたようだ。相手が喋り終わるタイミングを見計ったかのように、勢いよく押し出されて絶妙なバランスを保っていた椅子がバタンと大きな音をたてて倒れる。しかし此方は気にも留めず、相手の様子をじっと観察する。ローブを深く被っているため、確認できたのは笑みを浮かべる口元のみ、声や背丈から察するに男だろう。問題はノーマルかメイジか、そして例のメイジかどうかだ。)
…初めましてかどうかは俺が判断する。まずは両手を上げて、そのローブをゆっくり脱ぐんだ。
(此方としては攻撃をする気は無かったが、向こうはそうとは限らないので、強張った声で冷たく言い放つ。まず、相手が標的の黒髪銀目のメイジであった場合、捕まえなくてはならない。ただ簡単に捕まってくれるとも思えないし、恐らく多少の血は流れる事になるだろう。そしてただのメイジだった場合、出来るだけ穏便に済ませるため、攻撃する意思は無い事を伝えるつもりではあるが、銃を下ろす事が出来るかは注意が必要だろう。メイジの力の強さは3年前に身を持って知らされたし、重傷患者生活はもう2度とごめんだ。そしてノーマルだった場合、こんな所に住むような奴は正気では無い。やはりノーマルだとしても気は抜けないだろう。どのパターンにせよ、銃を下ろす事は難しいか。そう考えながら、相手にさっさと指示に従うよう、促すような首を軽く傾ける仕草をして。)
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