ノーマル 2021-09-07 06:50:28 |
通報 |
(既に全意識がBに向いていたせいか、"妖精ちゃん"について触れられても気にせず、寧ろ存在を肯定するかのように「ああ、分かってる。」と一言を返事をして。つい口を滑らせてしまった事に気づくのは、早くともBを倒してからだろう。タイミングを見計らって場内へと移動すれば、Bとの戦いの火蓋が切られた。早々に此方の気配に気付いたBが振り向き、床を蹴り上げる動作をした後、一直線に突進してくる。同時に、その直線上から横に避けて、Bが壁に激突する瞬間まで全力で走って、出来る限りの距離を取る。しかし、Bのスピードにはどうやっても勝てず、目指した位置に辿り着く前に背後で衝撃音がしたので、急ブレーキをかけてすぐさまに振り向き、照準器を覗き込んで。悠長に頭部を狙う暇も無く、少しでもダメージを与える事を優先して、巨体に一発撃ち込むと、体の側面に命中。その瞬間は若干よろめいたかと思われたが、先例通りにたった一発では仕留められず、血走った目で此方を睨みつけて、次の突進をかましてやろうといきりたつ。それから暫くは、壁にぶつかる衝撃音と銃声のみが場内に響いていた。全力で走り、止まって、狙いを定めて、撃つ。現役時代に似たような訓練をしていた事を思い出しつつ、ギリギリの攻防を繰り広げ、7発目にとうとう決着がついた。激突によるダメージもあってか、思いの外早い決着だった。最後にはドスンと大きな音を立てて横たわり、あれだけ威勢の良かったBもぴくりとも動かなくなった。討伐完了を確認すれば、深く息を吐き体の力みを緩ませ、肩を落としダラッと銃を持った両腕を下に伸ばして)
っはぁー…やっとくたばったか……、こりゃカッコイイとは言えねぇな…
(全弾命中、しかも後半は頭部や頸部など急所にヒットさせていて、体力的にというより、精神的に疲労を感じていた。今回は特に見せ場も無かったのに、汗だくで荒い呼吸をする自分が窓に反射して見え、その様子が実年齢より5,6歳老けているように思えて、自嘲気味に笑って。また機械が汚染生物の回収を始めるだろうからまずはこの場を出ようと、息を整えて、額の汗を拭いながら出口へと向かい、外の彼女に扉を開けるように出入り口を指さして。)
トピック検索 |