鬼娘 2021-09-05 10:06:47 |
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(どすん、と重量感のある衝撃を腹に受け、深い眠りから一気に目が覚める。ぼやけた視界に犯人である愛猫を映しながら、地を這うような唸り声で「お"はよ、マリコさ"ん…」と朝の挨拶を送るが、最愛の彼女は負けず劣らずのダミ声で飯をせがむだけだった。ベッドサイドの眼鏡をかけ、世界の画質をフルHDに切り替える。いつも通りの朝。爽やかな春の陽光。自分が愛してやまない平穏な日常が、今日こそは戻ってくる気がした。
一階に下り、真心を込めてマリコさんのお世話をしてから自分用のジャムバタートーストを用意して、テレビのニュースを見ながらの朝食。さすがに心の声は地上波に乗らないようで、ハムスターっぽい星座占いのお姉さんも安心して愛でられる。
『今日の最下位は蠍座!異性関係に注意かも!?』
…よく見たらそんな可愛くないな、このアナ。容赦なくテレビを消して、残りの支度を済ませにいく。もちろんお姉さんの可愛さが減ったのと、自身の誕生日が11月11日、ポッキーの日であることに因果関係はない。ないったらない。)
(起きたときの寝癖をそのままに、オーバーサイズな制服を着込めば登校準備はバッチリだ。愛用のヘッドフォンも忘れていない。しかし「いってきまーす」と、長年の戦友であるくたびれた通学リュックを手に玄関を開けようとしたそのとき…平和な朝をブチ壊す忌々しい声が直接脳内に響いてきた。
こめかみに青筋が立つのを感じ、眉間に深い皺が入る。
──目覚ましはマリコさんで間に合ってるし、愛らしいわけあるか眼科行け、耳元どころか半径三メートル以内に近づきたくないわ、つか勝手に同衾するなっうるせええぇ!
律儀に脳内で相手の妄想にツッコミを入れていたが、最後の黄色い悲鳴が意味わからなすぎて、ついに頭を抱えて玄関の土間に蹲ってしまう。そろそろこのツッコミも心の内にとどめておくのが難しくなってきた。誰か助けてくれ。
飽きもせず毎日毎日毎日お重を抱えて迎えにくるこの女は、恐怖の対象でしかなかった。何故かってそりゃもう訳がわからないから。大したことない理由で嫌悪されるのは慣れているが、こんな出所の分からない激しい好意を向けられたことはない。ドッキリなら正直もう許して欲しかった。
しかし、このまま怯えながら震えていたって遅刻してしまうだけだ。見送りに来てくれたマリコさんを深く深く吸って精神力を回復してから、意を決して玄関の扉を開ける。身を滑らせるようにして外に出ると、間髪入れず扉を閉め)
……ぉ、ぁょぅ。
(蚊の鳴くような声の挨拶と、軽い会釈だけでクラスメイトの横を通り過ぎようとして)
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(/丁寧に現在の2人の約束についての認識をまとめてくださりありがとうございます!そのつもりでロルを回させていただきますね。今から思い出話のシーンが楽しみです!
初回の絡み文、及びロルの形式について気を使っていただいてありがとうございました…!
当方は会話文のやり取りのテンポを重視してしまって、ロルの長さにとてもブレが出てしまうのですが、
合わないと感じましたら文字数をある程度揃えることもできます。文体が気になったり、絡みづらいと感じる部分がありましたら何なりとお申し付けください!)
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