ひつまぶし 2021-08-27 23:03:24 |
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ごめんなさい、非常識なことを言って……でも、陽が昇るまでの間身を隠せるなら、玄関でだって構わないん、で、す…( 下げていた頭をゆっくりと上げ、縋る様な思いで相手を見つめていたものの、彼の反応を目にしているうちに、見ず知らずの人をここまで狼狽させてしまったことで自身を責める気持ちの方が大きくなっていって。結果、申し訳なさそうに瞼を伏せながら、素直に謝罪の言葉を述べるも、だけど此方だってここで引き下がるわけにはいかないのだ。単純に夜は暗くて、怖い。追われているかもしれないと思うと尚のこと。だから何とかその首を縦に振ってもらえるよう、声に、表情に、全身に力を込めて言葉を続けたところで急に視界がふわりと揺れて。次の瞬間、両方の膝からかくんと力が抜け「あ、倒れる」と妙に冷静な心の内でぽつり、と。受け身を取らなくてはいけないと、頭ではしっかり分かっているものの、しかし気力も体力も尽きかけた体はもう思うようには動かなくて )
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