とげとげまんまる　〆

！？　俺の個性をそんなことに使おうとすんな……ってちょっ、
（　適当に投げ出した案が即座に採用され、それだけならまだしも言い出しっぺの法則が働いているのか花火の火付け担当にまで任命されそうになり即拒否……するものの此方の言い分を聞いているのかいないのか、気にも留めない様子で腕を叩いてくる彼女。その勢いに圧され、引っ張られる手を振りほどく判断もつかないまま、あれよあれよの間に店まで連行されていき　）

──いい加減離せや！
（　そうして目的の店の入り口まで来ると、まだ手を取り合ったままの状態にハッとして漸く彼女の手を振り払う。ただでさえ周囲にカップルだと誤解されているのに更に誤解を招いてしまうと危惧して。
……気を取り直し、店の外から店内の様子を伺ってみると夏ムード全開の装飾が施されており、品揃えも今時流行りのキャンプ道具、浮き輪や水着、釣り道具などのアウトドア用品で溢れていた。ポスターにあった花火の陳列スペースを探すべく、早速店内に足を踏み入れて　）