爆豪勝己 2021-08-05 09:31:50 |
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( 鳩尾へと綺麗な1発を打ち込まれた相手は思わず抱えていたカバンを手放し、悲痛な声をあげながら床へと仰向けに倒れ込み、そのまま白目を向いて動かなくなってしまった。どうやら気を失ったようだ。……あの人相の悪い男の子確か雄英体育祭の……、今くだばれって言った……、ママぼく怖い……あまりの気迫に、恐る恐る遠巻きに様子を眺めていた一般客たちの怖じ気付いた声が聞こえてくる。折角ひったくり犯を捕らえたというのに、辺りから巻き起こったのは歓声ではなくどよめきだった。
──その後すぐに騒ぎを聞き付けたショッピングモールの警備員が数人、此方へと駆け付けてきた。警察が到着するまでの間、犯人の身柄を拘束するらしい。後のことはそちらに任せることにして、床に落ちたカバンを拾い上げると彼女が追跡しているデカイ奴の方も仕留めるべく来た道を戻ろうとくるりと踵を返して。……だが、 )
ってェ、何しやがんだ離せや!
( 状況を知らない警備員には、周りにいる一般客の怯えた様子や人相の悪さから、細い奴の仲間だと勘違いされてしまったよう。油断した隙に腕や肩をきつく掴まれ、自分までもその場に取り抑えられてしまった。別方向に逃げたデカイ奴も捕まえないといけないのにこんなところで足止めを食うなんて……!──
その様子を見ていた客の中に、これではさすがに可哀想だと思った者が数人いて、警備員に事情を説明。不幸中の幸いというべきか、彼らからの助け船により何とか事なきを得ると、事情聴取の為に連行されそうになるのを振り切って、予定より遅れて彼女の元へと向かい )
──おいババア! 無事か?
( 取り返したカバンを手にひったくり現場まで戻ってくると、デカイ奴と彼女の姿は近くに見当たらないものの、カバンの持ち主は旦那と一緒に休憩用ベンチに腰掛けていて。その傍まで駆け寄っていき声を掛けながら、取り敢えず持っていたカバンを老婦人へと手渡して )
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