匿名さん 2021-05-10 21:07:54 |
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>ゾーイ【 シャオイェン 】
( 自分が身に纏っている祖国の民族衣装が彼女にとって見慣れないものである事は簡単に推測できる。核心を衝くような彼女からの問い掛けには「そうなの、シャオね、濃霧を抜けて来たのヨ!一人でネ!」と、さも自分が常人には成し得ない偉業を成し遂げたかのように誇らしげな笑顔で告げて。実際自国から旅に出た同年代のセニャリーは決して多くはない。しかし、意気揚々と出発した割にビクビク怯えながら濃霧を抜けて来た都合の悪い事実は決して公言せず。淡々とした手つきでパンを齧る相手に、それ一口ちょうだいと強請るタイミングを内心で計りながら「───名前なんていうノ?」一方的な自己紹介は済ませたが相手の情報を得ていなかったと気がつけば、何の脈略もなく名前を尋ねて )
>レター【 ルーカス 】
そりゃあ良かった!お嬢さんみたいな可愛い子に、傷なんて付けさせるわけにはいかないからね。
( 彼女に怪我を負わせていない自信はあったものの、念のため彼女を一瞥して返事の真偽を確かめては一安心する。軽い調子でリップサービスを交えつつ、二人を乗せたヴィンテージカーは結界の張られた国境の方へ迷いなく突き進む。その洗練された風貌は彼女が明らかにこの国の者ではない事を示しており、数年前ここを訪れたある旅人の " 本 " の中に、彼女に似た服装の記録があったのを思い出していた。彼女が何らかの事故で迷い込んでしまったのなら当然自国に帰すべき、故意であったとしても旅先にこんな荒れた土地を選ぶべきではない。「すぐにキミの国へ帰してやるさ、安心してくれ。こんな見窄らしい荒地はキミには似合わないよ」詳しい事情を無理に尋ねようとはせず、それとなく自分が彼女を故郷へ帰そうとしている旨を伝え反応を窺い )
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