……買うよ (常に隣にいた親友の、想像もしていなかった姿。流れるようにこちらに腕を伸ばしてきたのを振り払わず、逆にぐっ、と力強く手を繋いでやり。 買う、と、そう発した声はいつものように穏やかなものだった。あくまで自分が腹を立てているのはこれまで彼を相手したパパとやらと、気づかなかった自分に対して。ぱっと手を離し鞄から封筒を取り出せば、「先払いのがいいんだよね」なんて呟きながら彼に渡して、)