とある異世界、この世界には獣人、龍人、妖精、巨人、魔神、女神の六つの種族が居た。この世界の片隅に人間族がひっそりと暮らしている世界で嘗てはこの六つの種族が血腥い戦争を繰り返していた。だが、度重なる戦乱から世界から魔力が消え、六つの種族も疲弊し戦乱は不意に終わりを迎えた。失われた魔力は六つの種族の頂点に君臨する『皇』と呼ばれる統治者が管理し世界は均衡を保っていた。それから数百年、魔神族と女神族の諍いから端を発した小競り合いがやがて他の種族にも飛び火し、その小競り合いを止めるべく獣人、龍人、妖精、巨人の四つの種族が共闘し魔神族を束ねる魔神皇と女神族を束ねる最高神を封じる形で小競り合いは終結、魔神皇と魔神族の監視に獣人、龍人族、最高神と女神族の監視に妖精と巨人族のそれぞれの『皇』がその任に就いた。魔神族も女神族も長を封じられ、一度は止めた小競り合いを再び再開し世界に暗雲が立ち込めた。見かねた創造神が魔神族と女神族を遥か彼方に封印し二度と世界に現れぬよう。残された四つの種族に封印の宝玉を渡し世界はまた平和になった。また数百年の月日が経ち魔神族と女神族の代わりに人間が台頭し、国を造り、他の種族との交流もありつつ賑やかながらも平和であった。魔神族の一人と女神族の一人が世界に出て来るまでは。これはそんな世界のお話