Mr.Hc 2021-04-23 19:21:03 ID:7848a5538 |
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折角なら記念になんかするか?
( 他のことは忘れてしまったのに記念日は覚えていることに彼奴は困ったように眉を顰め笑いながら不思議だと彼奴自身も何故か分かっていないようだった。他の奴らのことは覚えていないと言っていたのに己のことは覚えているなんて嬉しいことこの上ない。頬が緩んでしまうのをなんとか押さえながら冗談っぽく笑みを浮かべ記念になにかするかと訊ねる。冗談っぽく言ってはいるが彼奴が嫌ではないなら何かしたいと考えていて。
「 !…、望むところだ。 」
くしゃりと笑った彼奴は荒々しく己の髪を撫でてきた。頭を撫でられたのはいつぶりだろうか?あの日から兄として2人を立派な男に育てると決意してから弟達の頭を撫でてやることはあったが己が撫でられることは無かった。荒々しいが心地よい手に嬉しく思うも平静を装い顔を上げ彼奴の紅い瞳を見つめるとニヤリと好戦的に笑みを浮かべて。)
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