Mr.Hc 2021-04-23 19:21:03 ID:7848a5538 |
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ッ……るせぇ、
( 言葉ではそう言い乍も、頬に触れる手を振り払う事はできなかった。只々、純粋に温かくて心地が良い。大切なものを守る事だけに使ってきた
手は、本当に本当に綺麗だ。それに、人の体温なんて何時ぶりだろうか。もうずっと前から埋まらない心が、温かい何かで埋まる様な気さえする。
真っ直ぐな瞳が此方を捉えて、思わず目を逸らしてしまう。そうだ、俺の心をこんなに揺さぶるのは何時だって此奴だった。真っ直ぐな瞳が、声が、手が、何時だって俺には眩しくてそして温かかった。若し、今日だけでも此の荷を下ろして良いのなら、少しだけ素直になって良いのなら、貴方に甘えてしまうのは可能だろうか。なんて、ほんのりと淡く光る希望を抱いて、
“ いちろ、 ”
と、震えた声と揺れる瞳で貴方の名を呼び )
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