どこかの兄弟 2021-04-20 18:36:39 |
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>>>>59
>>>>フォルカー様
( 「 これは失礼しました……、それもそうですね。では、…こちらに。 」彼の言葉に一度目を瞬くと、改めて己の気遣いの足りなさを自覚しては恥じたように咳払い。もてなすことに向いていないある種の不器用さは隠していたつもりだったのだが、やはりメッキがはがれるのは早いようで。言葉とともに彼に一番近い椅子をひいては”どうぞ ”と示すかのように目線で促して。もしも彼がその席に坐したのならば、その向かいの席を己の指定として座ろうか。実のところ隣席でよいかとは思ったのだが、彼の警戒を完全に解いているわけではないことも理解していた。かといってあまり離れるのも、” 話しやすい場所 ”という希望に沿うことができなくなる。彼の顔の良く見える真正面で「 そうだ、お茶をお出ししなければなりませんね。喉が渇いたでしょう? 」言うが早いか、自身の耳元で二回両手を打ち合わせて。小気味の良い音が響いた瞬間、机には金の縁取りのされた白色のティーカップが二つ、姿を現すだろう。あたたかな琥珀色の液体が揺れるそれは、ほのかな甘みのある匂いを放つはずだが、果たして彼の記憶に該当する香りであるかは定かでない。自身はといえばためらいもなくカップの縁に口をつけ、「 おいしいですよ? 」なんてのんきに微笑んで。「 さて…。落ち着いたなら、貴方が知りたいことを聞かせてください 」ソーサーにカップを戻し、リラックスした態度で向き直って )
(/文字化けしてしまいましたので、訂正させていただきます。)
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