どこかの兄弟 2021-04-20 18:36:39 |
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>36 / フール
……そう、なら良かった。
( 髪を撫でる手に緩く表情を緩め、その手に軽く擦り寄るようにして。「 大丈夫よ、少なくともフールは " 私 " を見てくれてるでしょ 」もし自身を通して違う誰かを見ているのだとしても、家柄だけしか見ていない人よりかは幾分もマシ。そんなことを告げる気はさらさら無いが何かしらが伝わってしまうやも知れない。無論そんな事を気にする余裕も無いのだが。「 もしもの話よ、フールだってずっと私に付きっきりって訳にはいかないでしょ? 」表情だけで心外さが伝わってくる彼の様子に小さく噴き出して。特段何も気にせずに告げたものだが果たしてどう伝わっているだろうか。「 ふふ、エスコートお願いね 」彼に連れられるようにしてチャペルの外へと。眩しいくらいの陽光に何度か瞬きを繰り返した後、視界に広がる外の世界に気を取られていればチャペルの扉が閉まったことに気づく事は無く。右の方面へと足を踏み出したと思えば直ぐにゆったりと止めた歩みに僅かに遅れながらも足を止めて。「 あいつら…ってことは、フール以外にも何人かいるの?…と言うか、家が気分屋って… 」彼にとっては雑談の延長線なのだろう、変わった様子は見られないものの自分にとっては不可思議な事で。家が気分屋で位置が変わっているなんて、そんな生きているような事なんて有り得る訳がない。そう続けようとしたが此処は自分の住んでいた世界とは違うのだろう、端から否定するのも何か違う。そう思い至れば隣を歩く彼の横顔を見上げるだけにとどめて )
( / お世話になっております、本日もお時間の許す限りお相手をしていただければと思います。どうぞよろしくお願い致します! / 蹴り推奨 )
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