とある機械人形 2021-04-11 15:48:03 |
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そう、なんだ……
( 銃声の音さえも鼓膜に響かないほど、世界から音が消えたような玉響の静寂の感覚。荒廃した場で告げられた衝撃の事実に当然の如く思考回路は停止し、まともな感想も出てこないのか乾いた喉から辛うじて言葉を捻り出す。血の繋がった実父がいたこと、レジスタンス組織が存在したことは勿論、その実父が完璧な統制社会に屈せずにいたレジスタンスの一員であった事実に驚きを隠せない。志高い人物であったのだろうという誇りと喜び、然し今や会うことは叶わないという悲しみ、複雑に混在する感情に押されてか姿も分からぬ父の面影が脳裏を掠めじわりと眦が熱くなるのを感じて。アンドロイドの彼には概念がないのかもしれない涙を手の甲で雑に拭っては軽口を交えつつ微かに笑顔を浮かべ、人間の中で友好の印である握手をしようと手を差し伸べて。 )
お父さん、凄い人だったんだ……アンドロイドも造れるなんて。まだまだ聞きたいことも沢山あるけど、取り敢えず、これから宜しくね。
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