△ 2021-03-29 01:55:20 |
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(相棒の声が頭に響く。その音を意味を理解した途端心臓が握りつぶされたような苦しさが襲って瞳が揺れる。相棒がそんなことをいう訳ないと思うのに何処か他人事のように回る頭はこれまでの違和感や記憶から整合性を主張し始めた。自分が今まで幸せだと思っていた時間の中でも相手はずっと自分を恨み許せないと思っていたのだろうか。そう思った途端息が苦しくなって喉がひゅっと鳴った。違う違う違う違う、でも本当に?頭の中はぐちゃぐちゃになって思考がまとまらない。とにかく落ち着かなくてはと息を吸うが言われた言葉を思い出してすぐに吐き出してしまう。全部自分のせいだ、自分のせいで相棒を不幸にした。そんな存在がこれからも隣に居る資格なんてあるのだろうか。とめどない後悔と暗い感情に支配されるともはや息を吸っているのか吐いているか分からず浅い呼吸を繰り返す。そんな状態で体から力が抜けていけば重力のまま床に崩れ落ちた。痛い苦しい辛い助けてほしい、追い込まれた頭は縋るように相棒の姿を見上げるが返ってくる視線は氷のように冷たい。再びあの低い声でこちらの罪を責め立てる。何処かでぽきっと何かが折れたような音がした。嫌われてしまったのならもうどうでもいい。外界から全てを遮断するように膝を丸めて耳を手で塞ぐ。目をぎゅっと瞑れば激しく動く自分の心臓の鼓動しか感じなくなる。それすら今は鬱陶しい。大切な人を傷つけてしまうならもう何もしたくない。全てを放棄して小さく蹲る。それが最期の『 』の記憶だ。)
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