△ 2021-03-29 01:55:20 |
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(探偵の仕事をしていれば当然一緒に過ごせない夜だって出てくる。相棒が一晩中張り込みをする日や出張という形で泊まり込みで調査をするときもあるし自分が情報を集めるためにガレージに籠ったりガジェットの修理制作をしたりで理由は様々だ。自分が動くタイプの場合はそれに没頭していれば気が紛れるし余計なことを考えずに済む。問題は逆に相棒が出かけていて自分が暇な時だ。特になにもすることなく一人きりの夜はやけに静かだ。一人で家に戻る気もなくて基本的に事務所で過ごすことが多いがそうすれば尚更調査を終えて帰ってくるかもしれないなんて考えて変に眠れなくなる。いつもなら夜更かししようものなら強引に布団に引きずりこまれるのにそんな相棒も居なくては寝不足に拍車がかかる。今頃何をしているのだろうか。一度そう考えてしまえば思考はそちらに引っ張られてしまう。きっと連絡をすれば優しい彼は応えてくれるだろう。だが要件もないのに寂しいからという理由で電話をかけるのは子供っぽい気がしてベットに身を投げながら連絡手段を閉じた。布団からは僅かに彼の匂いがする。すれ違いに仮眠を取った相手の匂いが移っているのかもしれない。顔を埋めてその匂いを吸い込めば幾らか気分は落ち着いてくる。だけど安心して眠るのには物足りなくて「…早く帰ってきたまえ」と小さく呟けば無理やり目を閉じた)
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