△ 2021-03-29 01:55:20 |
通報 |
(自分のことを知識の暴走特急だとか周りが見えなくなると言われたのはいつだったか。今日は依頼もなく朝から本棚に籠っていた。一つのことを知ればそれに関連した知識を調べたくなり全てを網羅したくなれば時間が溶けるのはあっという間だ。一通り調べ終えて少し休憩でもしようと現実に戻ってきた途端違和感に気付く。本を持っているはずの手の感覚が薄く上手く動かない。吐く息は白くて全身が微かに震えている。事務所スペースと違ってここには格納庫を兼用しているのもあって暖房器具は無く外気とほぼ同じ気温だ。ここに来るとき彼は今日は今季一番の寒さだと言っていた。その中で長時間過ごしていれば凍えて当然だ。まさか事務所の中でこんな危機に陥るとは思わなかった。ひとまず身体を温めなければと頭は動くも身体が思うように動かない。連絡手段も遠くのソファーに投げ捨てられていて数時間前の自分を呪いたくなる。自分もまともに動けず連絡も取れないとなれば所長か彼が偶然ここを見に来てくれることを祈るしかない。白い息が零れる。凍える体を自分で抱きながら相棒に望みを託していた)
トピック検索 |