△ 2021-03-29 01:55:20 |
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(今の彼にとって自分が一番という自惚れではない自負はある。相棒として恋人として彼の傍にいるし大切に思われているのも事実だろう。だけど僕が知っているのはあくまで出会ってからの数年で、それより前は文章上でしか知らない。彼が見た夢の中で探偵ではない彼を見た時衝撃と何とも言えない気持ちが胸に募った。当然生きてきたのだから子供の時の彼だっていると分かっているのに、それを受け入れられないでいた。今までも似たようなことはあった。今の彼を構成しているであろう場所、出来事、顔馴染み。それらを知る度に喜びとそこに自分が居ないことへの寂しさにも似た想いに心臓を締め付けられているようだった。どう頑張ろうと過去には介入出来ない。今と未来を与えられてもなお足りないと嘆くなんてどれだけ我儘なのだろう。頭を巡るは自己嫌悪と被害妄想。変なことを考えるのもいつも隣にいる彼がいないせいだろう。夢の中では、もしくは起きた時には彼が居ることを願いながらそっと目を閉じた)
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