吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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そ、了解。
(今日はそろそろ帰ろう、との言葉に頷き了承の言葉を伝えると同じように支払いを済ませBarを後にする。相手の隣に立って歩いてみれば月の灯りが足元を照らし、微かな風がアルコールで火照った体を冷ましてくれていた。自分と相手の間にゆったりとした空気が流れ、その心地良さを味わっていれば婚約者のことを聞かれ、頭の中で婚約者の姿を思い出す。そこで、以前は感じていた虚しさや寂しさ、無力感などの負の感情が残ってはいるもののそれ程浮き上がらなくなっていることに気づき、自分の中で昇華されているのだと分かり。「そうだな」と前置きしはぁー・・・と息を吐き出せば白く曇った吐息が空中に解けて消える。それが相手がBarで漂わせる紫煙のようで面白かった。)
赤毛で普通の、女性らしい女性だったな。優しくて、気配りが出来て、でも気が強くて・・・彼女には何度も助けられてた。それで笑顔が可愛くて、笑った顔が大好きだった。
(記憶の中でこちらに笑いかけてくる婚約者の顔が浮かんでくる。心地よい声色も、光を受けて淡く輝く赤毛も。そこで彼女を形取る1番特徴的な目のことを思い出し口にして)
あ、それでな、彼女は目が1番特徴的なんだよ。多分、1度見たら忘れられないくらい。
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