吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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(前を行く相手が悲鳴と共に上げた声に目を見開き、しまったと罠に掛けられた事を理解するも既に目の前にはハンターの姿があり。相手を追う事に意識を取られ辺りに目を向けられて居なかった、咄嗟に足を止めたものの逃げ出すにはハンターとの距離が近過ぎる所まで来てしまっていた。ハンターが取り出したのは彼と同じような拳銃式の武器、せめてサーベル型であれば隙を突いて逃げられたがこの狭い路地で拳銃を持つハンターに背を向けて逃げるのは危険過ぎる。訓練されたハンターであれば後ろから心臓を貫く事など容易だろう。その女が吸血鬼だと言った所でこの状況では信じて貰える訳もない、ハンターを喰い殺すにしてもこの距離では難しいし彼との約束を破る事になる。一瞬の間に様々な思考が脳裏を駆け巡るもハンターと一定の距離を取って対峙したまま、引き金に指が掛かる瞬間に銃弾を避けて前方の横道に身を潜めるしか無いと考えて。ハンターの背後で笑みを浮かべる彼女に視線を向けることは出来ず、鋭い緊張感が走る中息を詰めて目の前の男と視線を合わせたままその動きに集中して。)
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