吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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ん、行ってきます。
(軽く手を振って見送る相手に行ってきます、と言い手を振り返す。玄関のドアを閉め、電気が灯り始める街を歩けば軽く欠伸をして。今夜の任務地は南方面、しかも端の方だ。あまり被害は出にくいところで見回りのみ、と司令を受けたものの万が一に備え警戒は怠らない。巡回する車に乗り、端の方で街の様子を眺めながら揺られて十数分。賑やかな街の片隅に降り立つとふらり、と目立たないのよう路地裏に姿を消した。)
(また違う街の片隅。イザベラは誘った男の血を吸い、物言わぬ死体となった男を乱雑に地面へと落とす。頭の中にあるのは自分を見ようともしない元恋人とハンターのこと。どうすれば彼を自分の元に呼び戻せるのか眉を寄せて考えていれば、近づく一つの影があった。仰々しく声をかける男に彼女は不審げに返すが、提案された言葉に目を丸くし、少ししてから楽しげに笑みを見せる。奥へと誘う手に促され、暗い路地裏へと足を進めるとその姿は闇へと消えていった。)
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