吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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──それは嬉しいな、
(自分を信頼し、大切に思ってくれているかのような相手の言葉に、例え其れがお世辞だったとしても嬉しいと笑みを浮かべて。その時初めて、自分がハンターだった世界線を想像した。これまで吸血鬼である事を疎ましく思ったことも、人を喰らう自身の残虐性を嘆いた事もなく、ただ淡々と日々を過ごしていた。そんな中で相手と出会い、もし違った運命を背負っていたなら、とそんな考えが一瞬でも過ぎる事に自分自身が一番驚いていて。相手に怪我の事を言及されると、そんなに分かりやすかっただろうかと思いつつ少し苦笑して。階級の高いハンターが扱っていた武器であるという事が関係しているのだろうか、実際にズキズキとした痛みは強くなっているようにも思える。肘をカウンターにつき支えにする事で幾らか楽だと言いながら、煙を吐き出して。)
…少しね、あまり動かさなければ楽なんだけど。
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