吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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(Barを出たときには歩いていたスピードが徐々に早歩きになり、家に着く頃には走っていた。バタバタと慌ただしげに家に入れば玄関を背にズルズルと座り込む。走ったせいで荒くなった呼吸を深呼吸して整えれば膝を曲げ両腕で頭を抱える。自分の身を守るかのように小さく体勢を整えれば自分の中で勝手に動いてしまう体と、ぐちゃぐちゃに絡んだ思考にぐっと歯をかみ締め苦しそうに呟く)
・・・なに、やってんだ俺は・・・っ!
(最近、相手のことを考えると自分が分からなくなり余計に思考が絡み合ってくる。目を閉じ落ち着かせようとするもざわざわと胸の中は治まらなかった。
ふと気がつけば窓の外から街の人が生活を始める音が聞こえてきて朝が来ていたことを知る。重い頭と体に鞭をうちのろのろと起き上がればシャワーを浴びようと浴室へ向かうが、鏡に写った自分の顔は酷く、血行が悪い。鈍い動きで身支度を整えれば同じ任務に向かう同行者が訪ねてきて怪訝な顔をされながら準備を手伝われる。正直任務に挑む気はなくサボってしまいたい気持ちが多かったが同行者に手を引かれ車に乗り込み、道すがら任務の内容を話される。窓の外を見ながら聞き流していれば適度な揺れに眠気が襲いいつの間にか眠ってしまっていて、同行者に叩き起され憎まれ口を叩かれれば「はいはいはい」と適当に流し怒られた。任務は夜までかかったが滞りなく終わり、頬に僅かな切り傷を作って終了した。怪我を負ったことに同行者は「もっと真面目にやれ」と苦言を呈したが耳が痛く、聞いたフリをしていればまた怒られ脛を蹴られて痛みに顔を歪ませて。
家の近くまで送られるとふらりと歩き出しBarへと向かうが相手となんて話せばいいのか分からずその足取りは重く、店の前へ着いても中に入る勇気が出ずしばらく悩んでから扉を開けて)
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