吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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──僕?別にモテないよ、そういい事には縁がない。
(思いも寄らない相手からの言葉のきょとんとしつつも、可笑しそうに笑っては相手の言葉を否定して。勿論女性に誘われる事が無い訳では無いが、女性と親密な関係になった経験など殆ど無い。そもそも親しくなった人間も相手以外に思い当たらない程だった。かつて恋人と呼べる女性が居たのはもうどれほど前の事だろうか、自分はまだハンターを殺す前、彼女も同族の吸血鬼だったが、いつしか姿を見せなくなった。恐らくハンターに殺されたのだろうが、若いながらにお互いその可能性は十分すぎる程理解していたので悲しいと思う間も無く彼女は過去の人になった。ここまで心を開けたのは彼が初めてだろうと隣の相手を見上げつつ、ゆるりと微笑んで。家に着くと扉を開けて中に入り、テーブルの上に買ってきた食糧を置いて。)
僕の傍に居てくれる人なんて、テオだけだ。
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