吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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(間もなく夜が明ける頃合いかと思えば此方もグラスに残ったカクテルを煽って飲み干し。日の光は身体に毒という訳では無いが、やはり然程好ましいものでもなく、心地良く過ごせるのは夜の間。Barから戻る道すがらに狩りが出来ればそれもそれで良いのだが、いかんせんこの時間帯は上質な獲物が少ない。年若く美しい女性や血気あふれる青年、吸血鬼の好む獲物はやはり日を跨ぐ少し前くらいの方が喰らいやすいのだと、そんな事を考えながら自分もグラスをカウンターの奥へと押しやって。相手の名前を聞けば、頷きつつ相手に視線を向けて少し笑って。)
テオ。良い愛称だね、僕もそう呼ばせて貰おう。
(支払いを済ませて、羽織っていたコートに袖を通しつつ相手に名前を尋ねられると答えて。自分と同姓同名の人物は特務機関に登録されているため問題はないものの、何がきっかけで別人とバレるか分からない。念には念を入れ、尋ねられない限りファミリーネームは伏せておいても良いだろうと自然に名前だけ伝えると立ち上がり、相手に声を掛けつつBarの扉を開けると程なくして薄明るくなりつつある外の闇に紛れて。)
僕はクラウス、宜しく。──それじゃあまた明日。おやすみ、テオ。
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