吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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(再び噛みつかれ遠のく意識のなかで死を覚悟していれば聞きなれた、だが必死の声色で自分を呼ぶ声がした。自分の血を吸っていた吸血鬼が離れると立つことも出来ず地面に崩れ落ちる。優しい相手の後ろ姿を見、その手にサーベルが握られていたのを確認するが直ぐに視界は相手の放ったコートで遮られ、暗闇と安心する煙草の匂いに包まれると意識を失って。
目を覚ますと拠点に併設された病院の一室に寝かされていた。ゆっくりと視線を動かすと点滴と輸血のパックが管を伝って自分の腕に繋がれている。また、首や肩、足などに感じる違和感に包帯を巻かれ怪我の処置をされていることを知り、日中の爽やかな風を受け自分が生きていることを確認すると意識を失う前に見た相手の姿と、自分を隠してくれたコートの匂いで自分を助けてくれたのだと思い出し、早く会いたいと思いながらまた眠って。)
・・・大変、お世話になりました。
(再び眠って起き、暫く病院で治療を受けているとき話を聞いてみればコートの持ち主は自分が保護された時にはいなかったらしい。なぜ、重傷者を放っていなくなったか少し推測されていたが、他のハンターに怪我人を任せて他の吸血鬼を狩りに行ったのだろうと結論はつけられた。また幸運なことに入院している間にあの噂はデマであったことが流れ、特定のハンターが狙われることはなくなっていた。自分も退院の日になり、保護された時にかけられていたコートを自分から本人を渡すと言えば綺麗に繕われたコートを手渡された。暫くはパトロールが中心になると言われ、世話になったことへの感謝を伝えると帰宅する。数週間ぶりに帰った家は暗く、埃っぽく今度掃除をしなければと考えた。暫く家で過ごし、夜になればコートを着、紙袋に綺麗に繕われた相手のコートと帰宅途中に買った酒を入れればいつものBarへ向かい、ベルを話しながらドアをくぐって)
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