吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
通報 |
──ご馳走様、美味しかった。
(相手の話を聞きながら湯気の立つ珈琲を啜る。熱いものは飲み慣れていないため飲み終えるのに時間が掛かってしまいそうだったが、それを察知して此方を気遣う相手の言葉に安心して珈琲を味わう事が出来て。飲み終えると相手がしたようにシンクにマグカップを置き、礼を述べる。時間の流れがゆったりとしていて、幸せな時間を噛み締めつつもそう長く続くものではないと言うことは自分でも理解していた。日が暮れればまたいつものように、相手は吸血鬼を狩り、自分は人間の生き血を啜り、Barで顔を合わせる日が続くのだ。今この瞬間だけはそんな思いを頭から追いやり、幸せな時間を堪能しよう。そんな事を考えながら、身支度を整えるべく相手に着いていき。)
トピック検索 |