吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
通報 |
(半強制的に引き留めてしまっただろうかと思いつつも、怪我も軽いものでは無かったため休ませるのが一番だと考えて。シャワーを浴びて薄手のシャツとズボンに袖を通すと髪をタオルで拭いながら部屋に戻り。外は明るく鳥の鳴き声も聞こえる、少しずつ人々の騒めきも聞こえ初めていた。相手はすでに眠っている様子、ベッドの脇まで静かに歩み寄ると目をふせて寝息を立てる相手の髪をそっと撫でた。彼の友人であるのと同時に、彼がその命を賭けるほど憎悪を向ける仇でもあると言うことだけでも抱えきれない物があるのに、それに加えて自分が彼に対して抱いている感情が恋心である事にも気付いていた。身動きが出来なくなるような苦しさがあって、思わず眠っている彼に小さく懺悔の言葉を囁いた。そんな言葉で許されるとも思わなかったが、言葉にしないと言いようのない感情に押し潰されそうだった。そのまま静かに手を離すとソファに身体を横たえ、毛布を引き上げて眠りに落ちて。)
──…ごめん、テオ………ごめん、
トピック検索 |