吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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…テオ、君が謝る必要なんて無い。僕の方こそごめん、
(相手の瞳が自分を映し、柔らかく表情を緩めた様子を見て胸が締め付けられるような気がした。相手が謝る必要など全くないのに、逃げるように相手の元を離れて何も言わずに姿を消した自分の方こそ謝るべきなのに、ごめん、と此方を見つめる相手に眉を下げ首を振るとそっと相手の髪を撫でた。それ以上に謝らなければいけない事を、事の真実を彼に語る覚悟はまだ出来ておらず、そのままゆっくりと歩みを進めて。彼に真実を打ち明ける日が来たのなら、それが人生最後の日になるはずだ。そんな事を考えているうちに家に着き扉を開けると灯を付けて相手と共に部屋に入り。比較的整えられてはいるものの、物がかなり少なくおそらく生活感は無いであろう部屋。カーテンは閉じられ、キッチンに並ぶのもワインの瓶とグラスだけ。相手をベッドに座らせ自身もコートを脱いで掛けると、治療に使う包帯や消毒液などの入った箱を持ってきて。)
横になって良いよ。コートは脱いで、まずは傷を消毒した方が良い。
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