吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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分かりました、ありがとうございます。
(面会が出来ると聞いて安堵すると面会証を受け取ってその場で首から下げ、受付の看護師に礼を述べると入院病棟へと通じるエレベーターへと向かい伝えられた部屋番号のある6階のボタンを押して。静かな廊下を歩き告げられた部屋の前で立ち止まると扉に手を掛ける。すぐに後を追うとは言ったものの本当に来て良かったのだろうかという不安が湧き起こり扉を開ける事が躊躇された。彼を瀕死の状態に追いやったのは誰でも無い自分自身なのに。小さく息を吐いてから扉を開けると部屋の中は暗く、消毒液の匂いと一定のリズムを刻む機械音が聞こえて静かに扉を閉めて。そっとベッドの側まで歩み寄ると眠っている相手の顔を見つめて少しばかり顔色が良くなっている事に安堵して。首筋の傷口はガーゼで覆われ腕には輸血の管が繋がっていて、彼をこんな姿にしてしまったのは自分だと思うととても惨めな気持ちになりベッドの傍に置かれた椅子に腰を下ろして。)
……ごめんね、テオ……僕を許してくれ、……
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