吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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アテが無いから困って、っ・・・ぐっ!
(自分で考えろと言われてもそのアテが思い浮かばす眉を寄せればまたこちらに向かってくる相手。振りかぶる拳に手を構えれば代わりに鳩尾に深く肘が入り、息が詰まって声を零す。思わず体をくの字に曲げれば背後から鼻と口を薬の匂いがする布で覆われ、息を吸わないようにと頭の隅で考えるも生理的な反射で吸ってしまい次第に意識が落ちている。拘束から逃れようと自分の体を拘束する腕に爪を立てるが瞼が落ちるのと同時にその腕も力なく垂れ下がった。
どれほど時間が経ったのだろうか、意識が浮上する感覚で瞼を開けると薄暗い倉庫のような場所で床に寝かせられているらしかった。重たい頭を動かし様子を見れば人気がなく、なぜここにいるのかと疑問に思う。一先ず体を起こそうとするが自由が聞かない手首や腕、足に気づき縛られているのだろうと推測するとため息をこぼした。自分を誘拐、監禁するメリットは・・・と瞼を閉じて思考を整理しているとこちらに近づいてくる足音が聞こえ、目を開けてその相手を視界に入れようとして)
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