倉 2021-03-09 23:09:59 |
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…まあね。(硝子の零した‘相変わらず’が何処に掛かっているのかは不明瞭であるが、此処を叩くのは悪手な気がして先ずは一言当たり障りのない返事をぽつり。さて、ここから一体どうしたものか。投げ掛けた世間話は対して弾まず、良い話の切り口も見つからず。このままでは気まずさが増すばかりだと内心嘆息を落とせばちらりと硝子の方へ視線を遣った。案の定とでも言うべきか合わない目線。そこから更に彼女の視線を追って――辿り着くのは外を眺める悟の横顔だった。何を思っているのか此方もとんとわからぬままで、だからこそ少し知ってみたいと思った。空や海の如き無垢な碧眼が見据える物に興味が湧いたと言うべきか。一、二度の無防備な瞬きの後、滔々と思考の巡る頭とは裏腹に口は無意識に開いた。) __なあ、悟はさっきから何を見てるんだい? そこに何か面白いものでもあるの、
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