猗窩座 2021-03-06 09:21:59 ID:35ffca745 |
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(ノックの音、扉の開く音に意識は確と覚醒した。が、折角約束を果たしに来てくれた彼に返事をするにはワンテンポ遅れて。眠い目を擦って眉間を揉み解しながら身体を起こし、冷えたフローリングに降り立って恐る恐るカーテンを開ける。差し込む日差しが思ったより弱かった。晴れてはいるが午後から崩れるのだろうか、最近晴れが続いていたし雨の中の外出も乙だなと寝起きの頭でぼんやりと思考しつつ部屋を出て洗顔と歯磨きを済ませ、顔を拭いたタオルを肩へ掛けたままテレビの音とジュワジュワと油が熱される音を頼りにキッチンへ向かい。)
――おはよう、杏寿郎。起こしに来てくれたな、有難う。
(そっと彼の背後に歩み寄り肩口からフライパンの中を覗き込みながら未だ とろりと眠気の残る声で告げれば‘俺は半熟がいい’とぽつり、要望を零して。一束に結われた髪に視線を移し、タオルで濡れた己の髪拭いながら、普段髪に隠れた頸に食指をつるりと滑らせ触れ 逃げる様に身を引けば、細やかな手伝いがてら冷蔵庫からマーガリンや醤油瓶を取り出し、)
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