猗窩座 2021-03-06 09:21:59 ID:35ffca745 |
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――!!、…やめろ…!俺はお前の息子でも弟でもないぞ…!
(基本的に人との馴れ合いに特別な関心を置かない己が唯一無遠慮に触れられる事すら許容している間柄とは言え、二十歳を超えた大の男が頭を撫でくりまわされるのは如何なものか。酒に酔い散漫になっていた意識の中、短い髪を乱されてポカポカと温い手の熱が頭皮に伝わった刹那、驚きで見開いた瞳を眉と共に細め顰めては狛犬の如く人より尖る犬歯を覗かせてグルルと唸る様に牽制。お前と対等に並ぶ友人ではなかったのか、と非難の意を込めて絞り出した台詞ではあるが、彼の大きな懐を前にするとついその背に寄り掛かり甘えてしまいそうになるのも事実で。アルコールの所為か否か、照れや羞恥を織り交ぜたほんのり赤ら顔でそっぽを向くも其の手は自然と離れ行くまで振り払う事はせず、)
――…杏寿郎?……寝たのか、…まるで武士だな。
(頬の熱を霧散させるべく星を眺める事に徹し、手遊びに何杯か酒を口に運んで、暫く、彼の声がいつの間にか寝息に変わっていた事に気付く。緩りと身を乗り出して顔を覗き込んでは凛々しい眉目に恥じぬ寝姿に く、と甘く笑みを噛み殺し。一先ず部屋の中に酒器やら小鉢を移動させ、改めて彼の横で腰を屈めてはゆったりと肩を抱く様にぽん、と一つ肩を撫で、囁きで以て呼び掛けて)
杏寿郎、部屋に戻ろう、風邪を引くぞ。抱き上げてやっても良いがどうする?
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